全仏オープン覇者ジョコビッチの胸に謎の「パッチ」、パフォーマンス向上?

テニスの全仏オープンの男子シングルスでセルビアノバク・ジョコビッチが優勝し、男子史上最多となる四大大会通算23勝目を挙げた。ジョコビッチは大会中、胸に小さなパッチをつけているのが目撃され、本人はこの「ナノテクノロジー」が自身の成功の秘訣だと語っている。ジョコビッチはこれまでも、根拠の怪しい健康法を支持して物議を醸してきた。 ジョコビッチがこのパッチを装着しているところは、2回戦で当たったハンガーのマートン・フチョビッチとの試合中に初めて確認された。

ジョコビッチはその後の記者会見で、パッチはコートで最高のパフォーマンスを発揮できるように、チームが提供してくれた「信じられないほど効率の高いナノテクノロジー」だと説明し、これがなければ「おそらくこの場にはいないだろう」とも話した。 また、子供の頃に憧れていたマーベルのスーパーヒーロー「アイアンマン」になろうとしたんだとも述べている。 

ジョコビッチがつけていたパッチは、イタリアのTao Technologies(タオ・テクノロジーズ)が手がける「TaoPatch(タオパッチ)」という製品。公式ツイッターでは、タオパッチは「日光や体の熱によって活性化」し、「ナノクリスタルから体に向けて光子が放出されることで、いくつかの健康効果をもたらします」とうたっている。 公式ウェブサイトでは、タオパッチは「治療効果のある波長の光で体を養い、副作用もなければ化学物質の放出もありません」と説明している。根拠として、査読付き医学誌「Minerva Medica(ミネルバ・メディカ)」に掲載された研究成果も紹介しているが、実のところこの研究は予備的な段階のものにとどまっている。 このパッチについては、全仏オープンも、男子ツアーを統括するプロテニス協会(ATP)も、大会での使用が認められているのかを含めコメントしていない。 

ジョコビッチがタオ・テクノロジーズとスポンサー契約を結んでいるのか、それともたんに一消費者としてタオパッチを使っているだけなのかは不明だ。 同社の米国での販売サイトでは、「米食品医薬品局(FDA)への登録手続き中」と説明しており、完了までに数カ月かかる可能性もあるという。

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